☆◆○不動産心理学・『富ちゃん用営業方法』○◆☆ ●第9話

一通り、山本部長による、不動産営業の「いろは」を教えてもら
いました。私からすれば、騙して売るような気がして、
しかたありませんでした。
でも、山本部長は「不動産の世界は、みんなこんなもんや。」と
言ってるし、まぁ、何かの縁でこの会社に入ったんだから、とり
あえずやって見てから、自分なりの結 論を出そうと思い、
当分この会社にお世話になることを決めました。

山本部長 「どや、富ちゃん!話きいて、パンチパーマ当てる
      気になったか?」
私    「部長・・やっぱりパンチは当てません。どーしても
       当てろというのなら辞めるしか・・」
山本部長 「まぁまてや、そういう風に言ってくるやろなと思って、
      富ちゃん用の営業方法見つけたから。」
私    「私・・用???」
山本部長 「そや!とりあえず、最初は客と必要な事意外は
      しゃべるな、そして、ムスッとしとけ。」
     「そしたら客は、なんちゅー愛想の悪い営業マンやと
      思うわな。」
山本部長 「そして、1軒目案内したくらいに、客の子供のこと
      聞くんや、さりげなく、色々質問してその子供のこと
      誉めるんや、すごいですねとかいい子なんですねとか、
      適当に話あわせて、そのとき、初めて、富ちゃんのその
      かわいい笑顔をだすんや、そしたら、いい人、
      を強調できる!子供誉めたら、親は気分ええもんや」
私    「でも、子供が居なかったら?」
山本部長 「そのときは、ご主人の職業聞け、そして褒めちぎれ。
      あとは、さっき言ったとおりやっとけ」
私    「はい、解りました。でも、ちゃんと考えてくれてたん
      ですね。ありがとうございます。」
山本部長 「あ・・あほ!あらたまって礼なんかいうな、
      照れるやないかいっ!」

このとき、私は部長のことが、とても優しく、いい人なんだな〜、
と思うようになり、この人の為にがんばって見ようかな〜と思う
ような気持ちになってきました。

んんん??・・でも、これも部長の作戦かも(笑)

次回をお楽しみに!!

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