● 不動産屋の儲け(中間省略編) その4 ●第22話)


◎さて、前回は大手不動産業者の査定書を叩きつけられ
あまりにも違う査定額に客も怒り心頭!!
さー、こんな事で媒介契約は取れるのでしょうか!!

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田山   「この書類がどうかしたんでっか?・・・・」

その声は低くドスが効いて、淡々とした口調でした・・・・   

田山   「もしかして・・この書類を信用してはるんでっか?」
     「じゃあここに任せはったらいいですやん」
     「おい!富ちゃん帰るド!!」

私は「は・・はい・・」としか返事が出来ず、帰り支度をしていると。

森脇   「ちょっと待ちぃ〜や!」
     「この書類がなんで信用できんのや!その根拠はなんや!」

田山   「こーなった以上それは言えまへんな!」
     「第一、そんな事自分がよー解ってますやろ!」
     「だから、うちに電話した。ちゃいまっか?」

森脇   「そ・・・それは・・」

そしてここから田山係長は捲くし立てるように一気に喋りました。

以下田山

「あのな森脇はん、大阪府下に不動産業者どれくらいあるか知ってまっか?
約2万社ですわ2万社!!それにもぐりの業者入れたら3万社ですわ!
まして京阪沿線は不動産業者密集率は日本一!はっきり言って京阪沿線で
石投げたら必ず不動産屋に当たるくらいですわ!そんな中で我々業者は
生き残っていかんとあかん!それは大手でも一緒!それで生き残って
行くには利益が確定できる売り物件の媒介を貰わんとあかん。
物件さえ持ってれば誰が売ろうが売主から手数料貰えますしな。
だから不動産業者はあの手この手使って売り物件を取ろうとする。
大手不動産業者なんか書類作成能力の上にブランド力で、そら素人の客は
メロメロになるわな。だけどこすいでっせー大手不動産業者は。
徐々に値段下げてきよる。我々大手不動産会社一流営業マンの言うとおりに
しなさいって感じにね。最初はこの書類のように相場より高く見積もって
客を喜ばせ「我が社には沢山の顧客がいますので」なんて言いましたやろ?」

「それに森脇はん・・相場解ってはんのやろ?住○不動産がだした査定
価格でホンマに売れるんやろか?・・・そう思って地場でやってるうちに
電話してきたんでっしゃろ?それがあまりにも低い査定額やったから、
カーッときてさっきの査定書出したんですわな。」

「それに森脇はん、自分で相場調べるのにどうやって調べてます?」

森脇   「そりゃ・・・チラシ・・とか・・」

「ですわな!でもな、チラシの価格は表の価格や!よーするに売り出し価格。
ホンマの相場は成約価格や。成約価格は素人には解れへん。我々業者しか。
それでも地場の本当の相場は地場に精通した者しかわからん。」

「あんな森脇半はん・・わしはな此処(京阪)で生まれ此処で育ち、そして
この業界に入って30年や!・・・はっきり言って・・ここらのドブ板の数
まで知ってるくらいでっせ・・・」

「・・・・・・それに・・森脇はん・・売り急いでるんでっしゃろ??」

森脇  「!!!な・・なんで知ってんねん・・・・」

田山  「さっきも言いましたやん・・・わしはドブ板の数まで知ってると・・」
   


つづく
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