● 「テンプラ」というもの ●(第2話)

さて、私も入社してから3日が経ちました。この3日間色々と観察し
、先輩方は見た目は怖いですが、皆さん気さくで、あまり悪い人
は居ないような気がしました。
その中でも唯一パンチパーマを当てていない中田主任はとっても優しく、
いい方だと(この時は)思いました。

本日は土曜日で、朝から皆さん(先輩方)あわただしく、どーやら新聞折込
チラシが入っているようです。そーするうちに皆さんジャンケンをはじめました。
お客様の当たる順番を決めているようです。
1番目に当たった人は大喜びで、2番目以降はものすごく悔しがっているよう
です。というのも、朝一番に電話反響または来店されたお客様の成約率は格別
に高いと言うことだそうです(^^;)。

そーこーしているうちに、1組のお客様が来店しました。1番目はあの怖い
「横田課長」です。
どんな営業するのかな?と興味津々で様子をみていると、いつもガラガラ声の
課長が猫なで声で「いらっしゃいまぁせ〜」と言いながら、思いっきり笑顔を
作っています。(ぶ・・不気味なんですけど・・)。

と・・・突然、先輩たちが一斉に電話を掛けています。どこにかけているのだろう?
と思っていると、会社の電話が一斉に鳴り響く、それぞれ皆さん電話を取り「あ、
お客様、先日の物件、ご契約ですね。ありがとうございます」とか「契約は明日
ですね。それでは手付金500万円持ってきてください」等々、大声で電話を
しています。

私が呆然とその光景を見ていると、隣に座っている平山さんが小声で
「あほ、早よ、テンプラせんかい!」と言われ、「はぁ?テンプラ?」と聞くと、
「そんなんも知らんのかィ!」

ててて・・・てんぷらぁ????

・・・では、次回第3話をお楽しみに。

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