● 不動産屋の儲け(中間省略編) その7 ●第25話

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〜前回〜

田山  「ふぁ・・・眠ぅ・・・あ!富ちゃん言い忘れてた!」

田山  「土曜日は朝3時に店に集合な!!・・・」

私   「あ・・・あさ・3時ィ〜???な・・・なんで??」

--------------------------------------------------------
そして土曜日、朝(夜中)3時に眠い目をこすりながら
会社に到着すると、既に田山係長は温か〜い缶コーヒーと
コンビ二おにぎりを食べていました。

田山  「お!来たか。眠そうやのぉ〜、まぁこれでも飲んで
     目覚ませや!」

と、温かい缶コーヒーをポイッと投げてくれました。
スーツを着た大の大人が夜中の3時に2人しゃがんで缶コーヒーを
飲んでる姿は、異様な光景を醸し出していました。
警察官が通れば間違いなく職質されてたでしょう。

私   「ところで田山さん・・・今からなにを・・?」

田山  「まぁ〜黙って付いてこいや!」
    「ほな、行こか」

そして、私たちは車に乗り込み出発しました。
15分ほど走って着いた所は森脇宅でした。

私   「あれぇ?森脇さん所ですやん」

田山  「そや。ま、黙って見とけや」

そして、夜空がうっすり明るくなった頃、新聞配達員が
森脇宅のポストに新聞を入れていました。すると・・

田山  「よっしゃ!富ちゃん行こか!」

私   「は・・ハイ・・」

私は訳の解らぬまま田山さんに付いていくと、田山さんは
森脇宅のポストから新聞を取り出し、新聞に入っていた
数十枚の折込広告をぺらぺら〜とめくり、
「あった、あったがナ〜!」と私が作った森脇邸の広告を
取り出しポケットにしまいました。

私   「なるほど・・これがばれない方法なんですね」

田山  「そういうこっちゃ!」
    「でもな、近所の奴からの報告があるかもしれんから
     半径100mの家は片っ端からぬくぞ!」

私   「はい!わかりました!」

そして約1時間ほどかけ、半径100mの家からチラシを抜き取る作業を
しました。

一通りの作業が終わった私たちは、朝早くから営業してる喫茶店で
一服する事にしました。

田山  「おーい!ねーちゃん!モーニング ツーや!」

(この人も「ツー」って言ってる^^;はずかし・・)

私   「でも、田山さん・・広告抜いてもばれることあるでしょ?」

田山  「ん〜?・・あるな・・たまにな」

私   「そのときはどうするのですか?」

田山  「ん〜?その時はその時や?そんな事よりコーヒー飲めや!
     冷めるど!」

と、私の心配をよそに田山さんは他人事の話の様にのんきにモーニング
コーヒーを満喫しています。
本当にこれで大丈夫なんだろうか・・・・。

つづく


どうです?皆さん。
不動産屋さんも大変でしょ?

次へ



top